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アークライト・ゲーム賞2024

●アークライト・ゲーム賞とは

ゲームマーケットにて発表される優れたゲームを、アークライトが商品化を前提に評価する賞です。
特に登録などは必要なく、アークライト社が独自に選考を行います。
大賞の発表は、ゲームマーケット2024秋アークライトブースにて予定しております。

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●ノミネート作品(合計14タイトル 50音順)

 

『オドマトペ』(スズキモ団 様)

オノマトペ(擬音語、擬態語)を動作で表現するパーティーゲームです。
親と複数の子に別れ、子は「きゅんきゅん」「にょきにょき」「ルンルン」など各自に配られた別々のオノマトペを一斉に動作で表現します。親は制限時間内に次々と回答していき、正解したら双方の得点です。
プレイ風景は傍から見てもインパクト抜群です。
一人だけが注目されないので恥ずかしさが相殺され、気軽に隙間時間にできて、ワイワイ盛り上がれるでしょう。

『終わりから始まるクロニクルBOX』(ミスボドゲームズ 様)

全員で1つの物語を作る協力パーティーゲームです。
最大の特徴は「結末が決まっている」ことで、その結末につながるように各自はバラバラな時系列で12個の文を手分けして書き、最後につなげて1つの物語にします。
創作が苦手な人でも一文書くだけで良い敷居の低さと、できる人は他の人の出したワードを引用して大喜利的に発展させる自由度が共存しています。
そのときそのメンバーだからこそできた物語は、盛り上がりと一体感を生むでしょう。

『カペレ』(TUKAPON 様)

袋からチップを握りこみ、5色ある種類ごとに枚数を競うチキンレース系のゲームです。
全員が好きなだけ握っていき、袋の中身が空になったら得点計算……ですが、全色合わせて一番多くのチップを持っている人は得点計算に参加できません!
特筆すべきは実質的なルール量の少なさです。「袋からチップを握る」というだけでチキンレースと意地の張り合いが発生し、スリリングな心理戦を味わるのが見事です。ゲームデザインの巧みさが光ります。

『三国大風』(サザンクロスゲームズ 様)

7枚のカードをドラフトし、それらを3つの軍団に分けて3回戦を争うカードゲームです。
1戦目は勝者にメリットと敗者にデメリットがつき、2戦目は上位2名以外が脱落し、3戦目で勝敗が決します。
3回戦とも手を抜けないバランスの中で、いかにカードドラフトするか、そして集めた7枚をいかに3束に分けるか、という悩ましさが面白いです。
一撃必殺のタイプ相性があるのとテンポの良さにより、戦いのたびに驚きが生まれる作りが秀逸です。

『宙へ』(よぐゲーム 様)

軌道ロープウェイの完成を目指し、人や場所から資源を集める中量級ゲームです。
「自分以外の人の選択によって、自分のアクションが制限されるワーカープレイスメントに近いシステム」と、「ダウンタイムが発生しがちなシステムを緩和する同時手番処理」の2つが特長です。
ゲームの準備にランダム性があり複数回遊ぶことを前提にしたルール作りや、ロープウェイや専門家たちによるわくわくする世界観がより質を高め、完成度の高さに驚かされました。

『大行列』(モノビーズ 様)

将棋崩し×セットコレクションのパーティーゲームです。
乱雑に積まれた人型コマの山から音を出さないように動かして取り、役になるよう手元に並べて点数を競います。
全員が見つめる中で集中してコマを動かす緊張感と、カタッと音が鳴ってしまったときの脱力感、その緩急が面白く、「役を作りたいからあのコマがほしいけど難しい場所にある!」といった悩ましさ、相手のほしいコマを取ってしまうといった駆け引きもあります。家族にもオススメです。

『超五十六ゲーム』(東京なかよしデザイン 様)

出題者だけが知るお題を、「お題を褒める」ことで回答者に当ててもらうパーティーゲームです。
「その場にいる”人”ではなく、”モノ”や”コト”を褒める」ところが最大の特長です。
普段は意識しないモノやコトを褒めるという行為が、出題者や回答者の深層を刺激します。
出題者によって、同じお題でも違った褒め方になりやすく、様々な人と何度も遊びたくなること請け合いです。

『バザールの商人たち』(サイシュピール 様)

2つの役割に分かれた「ごっこ遊び」が独創的な交渉ゲームです。
露天商はゲーム開始時に場所を決め、そこでゲーム終了まで店を開きます。行商人は店を渡り歩いて交渉します。
勝者が役割ごとに1人ずつ出る点と、同じ役割同士は関わりを持たない点が独特で、それにより相手とwin-winな交渉ができ、「誰が何を集めているか」という情報に価値が生まれ、斬新な体験を生んでいます。
役割を変えて繰り返し遊びたくなる魅力があります。

『埴輪の商人』(WY GAMES 様)

商人となって埴輪を発掘し、売買を繰り返してお金を稼ぐゲームです。
一般的な競りゲームと違い、プレイヤーが販売側にもなることが特長です。特に「商品を買うこと」ではなく、「商品を買ってもらうこと」を競うというシステムが素晴らしいと感じました。
買ってもらうことを意識してお得な売り場にしすぎると、買った人が有利になってしまうため、値付けのジレンマがとても悩ましいです。

『ふつうのゴーアウト』(I was game 様)

チャック横丁に出展された、1~13の数字カードを使った大富豪系カードゲームです。
数字によって枚数に傾斜があり、場に出すときは右端か左端にも出すことが可能で、同じ数字を出したら重ね、端に出すときは枚数も制限がかかり、パスすると場から1枚引くので次の人が出せるようになり……など状況が多様に変化する、「気づき」が何度もあるゲームです。
場から引いたカードは手札に入るため、終盤は互いに手札を把握し睨み合う情報戦にもなります。

『偏見プロフィール』(ゲーム工房カコムタク 様)

お題の顔写真を見かけで判断して偏見を作り、並んだ顔写真から誰の偏見かを当ててもらうパーティーゲームです。
誰しも公にやらない「偏見を言う」をわいわい遊ぶことで新鮮かつ背徳的な体験ができます。
それっぽい偏見を考えてる時に、日常的に見過ごしてきたであろう経験や記憶から、ぴったりのものを導き出せた時の気持ちよさと、他人の偏見を見た時の驚きが楽しめます。

『ぼくのくつしたどこいった』(PaixGuild 様)

チャック横丁に出展された、運と記憶のパーティゲームです。
「裏向きに並べられたカードからペアを探す神経衰弱の要素」と、「自分の持っている片割れを持っていそうな人から引くババ抜きの要素」のかみ合わせが良く、ほどよい緊張感とカードをめくるドキドキが短時間で味わえます。
カードごとに枚数が違うことや特殊なカードがあることで状況が変化しやすく、盛り上がりが何度も起きるシステムが素晴らしいです。

『モットコイン』(四等星 様)

仮想通貨で儲ける競りゲームです。
手元のダイスでカードを競りますが、落札した人は使ったダイスがしばらく使えなくなり、かつゲーム終了時に返っていない分は負債となります。
また、ゲームを進めていくと人によって欲しいカードが透けて見えるので、あえて値段を吊り上げたり、やりすぎて自分には不要なカードを落札するはめになったり……。
いつ、いくらで競るかの見極めに強烈なジレンマがある、温故知新なゲームデザインが見事です。

『モリノカエリミチ』(アソビツクース 様)

4個のうさぎコマを対岸に帰す、2人用のすごろく×パズルゲームです。
ダイスを振り、出目と同じどうぶつタイルの上を進めます。移動のかわりにどうぶつタイルをスライドすることも可能で、うまく相手を妨害したり、道を作って一気に進める快感があります。
コマではなくタイルの組み合わせで多様性を担保してあるのと、ダイスの運要素があるので、シンプルなルールで繰り返し楽しめるようになっています。家族や恋人とのひとときにもオススメです。

大賞の発表は、ゲームマーケット2024秋アークライトブースにて予定しております。

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