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「アークライト・ゲーム賞2023」決定のお知らせ

●アークライト・ゲーム賞とは

ゲームマーケットにて発表される優れたゲームを、アークライトが商品化を前提に評価する賞です。
特に登録などは必要なく、アークライト社が独自に選考を行います。

●受賞作品

最優秀賞
『トーネードスプラッシュ2』(アヂサワゲーム 様)

競艇選手となって、ボートコマを進めて優勝を目指すレースゲームです。コーナーを内側から曲がると慣性で外側に膨らんでしまうため、外側から一気に曲がろうとする、そのコース上の位置取りの駆け引きが、水しぶきのカードをつなげて置くシンプルなルールで巧みに表現されています。山札が切れる度に盤上の古いカードを回収するルールが「船の消えゆく引き波(航跡波)」を表現しており、没入感や体験の独創性につながっています。

優秀賞(合計3タイトル 50音順)
『エイジオブウィル』(サザンクロスゲームズ 様)

たった32枚のカードで行う建築系ドラフトゲームです。狙った建物カードに必要な資源をドラフトで集め、最後に1回だけ建築して得点を競います。余剰資源の扱いが工夫でき、建物カードが全員共有で、ドラフトの動きから他者の狙いが推測できることで、「シンプルかつ戦略的」を実現しています。

『DICE × DICE POLITICS』(らずらいと 様)

政治活動がモチーフの、デッキ構築×周回すごろくゲームです。本作のデッキ構築とは、自分の個人ボード上のすごろくマス(タイル)を購入・強化していくことです。デッキ構築の面白さを「理想のすごろく盤面を構築しながら、すごろくする」と解釈したことで、間口の広い中級ゲームにまとまっています。

『レイルウェイブーム』(OKAZU brand 様)

車両や技術を競り落とし、それらを活用して自社の鉄道路線を広げていく、重量級の経営ゲームです。初期配置のランダム性や競りの駆け引きで奥深さを確保しつつ、競りの方式に統一感を持たせてルール量を減らすことで、遊びやすさも同時に確保できています。まとめ上げる総合力の高さを感じる大作です。

 

佳作(合計10タイトル 50音順)
『言いまちがい人狼』(Anaguma 様)
一斉に同じセリフを言う中、1人だけ少し違うセリフの「人狼」を当てる正体隠匿ゲームです。聞く専門の役職「村長」が発明です。簡単ルールで独創的な体験を楽しめます。

『キャピタルホース』(倦怠期 様)
さまざまな都道府県の順位を予想するクイズゲームです。予想方法が競馬の賭け方を模しており、予想の自信に応じて答え方を調整できるギャンブル性が独創的な作品です。

『コモレビパレード』(くじらだま 様)
特殊な動きの動物タイルを、お題に合わせて上手く配置して得点する、箱庭パズル系タイルゲームです。各要素はシンプルで、多様な展開と悩ましさがほどよく楽しめます。

『ただ今の決まり手は!』(ボドゲイム 様)
紙人形で即興劇を演じ、今回の「決まり手」を当ててもらう共感系クイズゲームです。恥ずかしすぎない範囲でごっこ遊びの楽しさと、伝わった(当てた)快感が味わえます。

『沈黙ノ艦長』(よぐゲーム 様)
乗組員が1分間、口々に状況を報告。黙って聞いていた艦長が、ワープと主砲の方角を高らかに宣言。映画のワンシーンを体験できる見事な切り口の記憶+なりきりゲームです。

『デュエルボーイ』(I was game + ZUME 様)
立ったまま1パック(8枚)で対戦する、「街角デュエル」を体験できる斬新なトレーディングカードゲームです。試合後のカード交換ルールがリプレイ性を高めています。

『Build Castle(ビルドキャッスル)』(A.I.Lab.遊 様)
建築系2人対戦ゲームです。場のカードを両者の共通手札とコストにすることで、たった32枚のカードで独自の駆け引きを生んでいます。ほどよい拡大再生産も味わえます。

『マンガすごろく:ゴッホとテオ』(Atelier Mimir(アトリエ ミーミル) 様)
ゴッホと弟テオの人生を、視覚・聴覚・触覚を使って追体験する、協力系すごろくゲームです。登場人物の心境を遊びながら知れる、今後の発展を感じる物語体験の方式です。

『ローズ・ダムール』(すてきな山 様)
バラ園経営をモチーフにしたゲームです。バラを買いすぎるとお世話が大変になり、人を雇いすぎると収入が少なくなります、経営の厳しさが巧みに表現されている作品です。

『私は一人、ダンジョンで目が覚めた』(Tempered GAMES 様)
ダンジョン攻略系ソロゲームです。現在の迷宮の状況をもとに、目先の対処か先々のための準備か、パワーの大小や行動順も考えてアクションを組み立てるのが楽しい作品です。

●アークライト・ゲーム賞の目的

ゲームマーケットでは毎回優れたゲームが数多く発表されています。ですがそうしたゲームが国内メーカーから発売される機会はまだまだ少なく、作者側のやむを得ない事情で埋もれてしまう作品が少なくありません。
そうした中、優れたゲームにスポットライトを当て、一つでも多く商品化への道をつなげられたらという思いから、賞を創設させていただきました。
ゲームをつくり、ゲームマーケットに出展する理由は人それぞれだと思いますが、「自分のゲームを多くの人に遊んでもらいたい! 長く遊ばれ続けてほしい!」と思っている人にとって、この賞が一つの目標や励みになれたらと願っております。

●アークライト・ゲーム賞

アークライト・ゲーム賞には、以下の三種類があります。

・最優秀賞
最優秀賞受賞作品は、アークライトがぜひとも商品化させていただきたい作品です。
ただし、受賞自体が制作者の権利を制限することはありません。制作者が望めば、アークライトから商品化しないことを選ぶこともできます。

・優秀賞
優秀賞作品は、そのまま商品化するのは難しいものの、調整が上手くいけば商品化の可能性がある作品です。

・佳作
佳作作品は、現時点での商品化は難しいものの、光るところがあり、ぜひとも応援したいと思える作品です。

●選考の基準

アークライト・ゲーム賞の受賞作品は、アークライトのボードゲーム制作部門スタッフによって選出されています。この作品を商品化したい!と強く心を動かされたものを選ばさせていただいておりますが、その基準は大きく以下のように分かれます。

・面白い体験ができるゲーム
・何度もくり返し遊びたくなるゲーム
・人に紹介したくなるゲーム
・周囲の人が思わず遊びたくなるゲーム
・普遍性があるゲーム
・時流に合っているゲーム

これらの基準は、1つのゲームですべてを満たさなければならないわけではありません。選ばせていただいている作品の中には、複数の基準で優れている作品もあれば、1つの基準で非常に優れている作品もあります。

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