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『フィンスパン』 デザイナーズノート

『フィンスパン』の制作裏話と『ウイングスパン』との相違点について


数年前、私たちはStonemaier Games社内で『ウイングスパン』シリーズの将来について大きな議論を行いました。私たちはファンから、他の生物に焦点を当てた別バージョンの『ウイングスパン』を遊びたいという要望を多く受けていましたが、『ウイングスパン』を単に他のテーマでリスキンしたくありませんでした(「リスキン」とは、まったく同じルール、メカニズム、能力を使用し、単に名前とアートを変更すること)。私たちが重視したのは、「『ウイングスパン』らしさを残しつつ、しかし異なるゲームにする」ことです。

最終的に私たちが決定したのはウイングスパン3部作という戦略でした: 『ウイングスパン(鳥)』が最初で、その後に少し重めの『ワイアームスパン(ドラゴン)』と少し軽めの『フィンスパン(魚)』と続けるということです。この戦略の利点のひとつとして、将来のウイングスパン拡張のためにElizabeth Hargraveの負担を取り除き、彼女の創作プロセスを彼女に最適なペースで進められるようにできたことです(これによって、『ワイアームスパン』と『フィンスパン』は『ウイングスパン』の拡張の制作進行の妨げにはなりませんでした)。

Michael と Davidは当初、デベロッパーとして協力を申し出ていましたが、最終的には『フィンスパン』のデザイナーとなりました。楽しいサイドプロジェクトとして、Michael はすでに、言語に依存しないバージョンの『ウイングスパン』と、他のポケモンの上にポケモンを乗せて(進化を表す)プレイできるポケモンバージョンで遊んでいました。

Davidは、フィンスパンのデザインの過程における共同作業について、次のように語っています。
「私たちは最初期段階からElizabeth Hargraveと共にテストを行いました。彼女のフィードバックは常に的確、効率的かつ建設的で、彼女はこのゲームが製品としてどのようなものになり得て、そしてどうあるべきかを正確に理解していました。その理解力は並外れていましたが、驚きはまったくありませんでした。また、この過程を通じてElizabethをよりよく知り、友人になれたことは光栄であり特権でした。同様に、私たちはJameyと頻繁に連絡を取り合い、ゲームを彼にテストしてもらいフィードバックを貰うだけでなく、試遊ごとにも彼にアイデアを交換しました。」

『フィンスパン』の製品版に話を戻します。では『ウイングスパン』に馴染みがありながらも異なるゲームを作るという目標は達成できたでしょうか? 私たちはもちろんそう確信しています。『フィンスパン』と『ウイングスパン』の相違点は以下の通りです:

何が違うの?

全体的に、『フィンスパン』は『ウイングスパン』と似たようなコアを持っていますが、やや複雑さを抑えて設計されており、結果としてプレイ時間は45~60分となっています。

・ゲーム開始前にそれぞれのプレイヤーが選択するものはなくなり、各自の海洋マットに印刷された数匹の魚、マットの上に置かれた数個のトークン、5枚の手札のうち2枚の初期魚カードによって、各プレイヤーが堅実なスタートができるようになっています。
・本作の目的ボードは業績ボードと呼ばれ、あらかじめ目指すべき目的が印刷された初心者向けの面と、ランダムな業績タイル3枚を選べる面があります。
・魚カードをプレイするときは、選んだダイビングスポット(列)の一番上の空きスロットに制限されません(ただし、ほとんどの魚は特定の層やダイビングスポットにだけ生息できます)。同様に、「潜水する」(カードの能力起動)ときはいつでも列の一番下まで潜れます(カードを連続したスロットにプレイする必要はありません)。
・潜水のアクションを行うとき、選んだダイビングスポットの層に1匹以上の魚がいれば、その層に記されている特典が得られます。このギミックはそのカードに「起動した場合」の能力がなくても、『ウイングスパン』のようにカードをプレイするだけで達成感が得られるのと似た感覚をもたらします。
・各ダイビングスポットには、1ラウンドに1回だけの海底ボーナスがあります(これは、異なるアクションを行ったことに対する報酬です)。
・ほとんどの魚カードのコストは、手札から他のカードを支払うことで行います。支払ったカードは個人捨て山に捨て、捨てたカードを取り戻す方法もいくつか用意しました。
・パズル的な要素が強くなっています。どこで魚をプレイし、卵を配置し、幼魚に孵化させ、そして幼魚を移動させて勝利点の価値が高い群れを形成するかが重要になっています。そしてゲーム中獲得したトークンは常に海洋マットの上に置かれ、手元には置かれません。
・魚の大きさは重要な要素です。海洋マットの上にある体長の短い魚カードをより大きな魚で覆いかぶせられ(「支払え」)ます。魚の大きさはテキスト(センチメートル)とアイコン(小型、中型、大型)の両方で表記されています。
・プレイヤー間の友好的なインタラクションを促すため、カードの効果は得するものを中心に、そしてそれらの大部分は「全プレイヤー」に利益をもたらすようになっています。
・すべての効果は視覚的にプレイしやすく、そして言語に依存しないよう、アイコンで表示されています(わかりやすさのため、一部カードにはテキストがあります)。

これら『フィンスパン』の改変のうち、あなたはどれを一番楽しみにしていますか?

―― stonemaiergamesブログより

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